このブログはおもに3つのテーマがあり

@店長の前職(大学教授)時代の担当ゼミ生の『Yゼミ卒業論文集;先ごろ若者気質』
Aフィールドワークで地域の方々と資料をまとめた『瀬田国民学校 学級日誌』、
Bチャイハナの日々 です。
@ではありのままの若者像を、Aでは戦争の時代にあっても明るく過ごした子どもたちの様子を、Bではチャイハナの日々の様子をお伝えしています

2020年12月06日

キューイの収穫

6日午前、チャイハナ光が丘の前庭で収穫したキューイです。
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1,2週間(?)は、ご賞味いただけると思います。
夏は、茂った緑の葉が日陰をつくりました。
秋から冬、落ち葉の掃除に苦しみました。
これから剪定を考えなければなりません!
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2020年12月03日

民意は、トランプだった?!

 アメリカ大統領選挙は、バイデン氏(民主)の勝利ということで終わりそうです。しかし、アメリカの民意はほんとうに、そこにあったのでしょうか? 変な言い方ですが、ほんとうはトランプ氏が勝っていた。それが、いくつかの「奇跡的な(バイデン氏にとっての)幸運」が重なって、バイデン氏に傾いていった、ということではないでしょうか?
以上は、3日(第一木曜)午前の「世界はいま」で、わたしがお話ししたことの一部です。
以下、説明してみます。
「奇跡的な幸運」の第一は、投票数の大増加です。66.4%という数字は、1900年以来最高です。前回(2016年)大統領選と比べると、2200万票増えています。このうち約1000万票がトランプ氏の増加分、1200万票が、バイデン氏が前回のクリントン氏の得票より伸ばした票数です。
バイデン氏の勝因としてメディアがいうのは「反トランプ票の掘り起こし」でした。しかし、そんなことなら、トランプ氏の「トランプ票の掘り起こし」も、ものすごいものがあります。
メディアのいう「反トランプ票」とは、何だったのでしょう?
実は「性的マイノリティの投票参加」だったというのが、わたしの気づきです。
大統領選挙と同時投票だった連邦議会、州議会などの議会選挙は「レインボー・ウエイブ」がいわれました。ゲイ、レスビアン、性転換、ノンバイナリーなどを名乗る候補者の立候補が多く、200人も当選したのです。この人たちが「掘り起こした票」――仮に当選者一人当たり5万票としても、200人で1000万票になります。そのうえ、落選した候補者たちの「掘り起こし」も加算できます。バイデン票は、「バイデン支持」とは微妙に意味が違うように感じます。
 第二は、多くの大手メディアが雪崩を打ったようにバイデン贔屓(反トランプ)に回ったことです。これについては、あとで説明します。
 第三の、そして「決定的な幸運」は、「新型コロナ感染症の蔓延」です。
 「アメリカが直面する最大の課題」を問われて「新型コロナ感染症」あるいは「医療問題」と答えた人は、ほぼ100%がバイデン氏に投票しています。この点での決め球はおそらく、トランプ氏の感染です。コロナ問題の深刻さを人々に印象づけました。
 私の考えでは、レインボー・ウエイブや新型コロナが、「眠っていたバイデン票」を呼び覚ましました。
そして、それほどの僥倖に恵まれたというのに、バイデン氏は、あのギリギリの辛勝です。もし、レインボー・ウエイブがなかったら、もし、新型コロナの感染騒ぎがなかったら・・・間違いなくバイデン氏は惨敗です。バイデン氏は、新型コロナウイルスに感謝しなければなりません。

なぜ、トランプ氏は1000万票もの票を伸ばしたか?
わたしの考えは「反バイデン」です。バイデン氏を当選に導いた要因――性的マイノリティ、黒人やヒスパニック、新型コロナや人種問題に起因する秩序の崩壊(への不安)――そういったことすべてが、トランプ支持に向かいました。
今回の選挙があぶり出したのは、アメリカの「分断」どころか「分裂」だろうというのが、わたしの考えです。
アメリカは、実質的に二つの国に分裂してしまいました。
ひとつは、東海岸、西海岸の大西洋、太平洋に面する州からなる「沿岸国」です。
黒人、ヒスパニックが比較的多く、性的マイノリティに対する蔑視もありません。産業は、金融やAI関連がけん引し、劇場、大学、メディアなどの文化活動がさかんです。大卒が多く、思想的には進歩的(リベラル)な立場を誇っています。
もうひとつは、両岸諸州からなる「沿岸国」に挟まれた「内陸国」です。起伏のある丘陵地帯に農場が延々と広がっています。人種的には白人中心、主要産業は農業、学歴は何の価値もない世界。正々堂々、勇気といった昔ながらのアメリカ的価値が幅を利かせています。沿岸国の立場から見れば、「保守反動」そのものです。
今回大統領選の勝敗を決めたといわれるラストベルトは、沿岸国と内陸国のふたつの「国」がぶつかりあった最前線と解することができます。
今後を展望するなら、黒人やヒスパニックの増加、金融やAIの発展といった面からみて、これから勢力を伸ばすのは「沿岸国」です。
そのように考えると、今回の大統領選挙は、「内陸国」が勝てる、ほとんど最後のチャンスでした。「内陸国」は、新型コロナといった「余分なこと」のせいで、その勝利を逸してしまいました。
結論として思うこと。
バイデン新政権は、(国民の支持という点で)少数派政権です。何もできない(不作為)政権となる確率が高いように思います。(そのことが、「習近平の勝手次第」なのかは別の問題です)
もっといえば、アメリカはひとつ(一丸)ではあり得なくなりました。原理的にまったく異質な「沿岸国」と「内陸国」が、一つの国の指導権をめぐって争う状況を想定しなければなりません。
そんなアメリカは、これからの世界にとって、ものすごいかく乱要因です。そして、日本としては、そのことを想定して付き合うことが必要になるでしょう。
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2020年11月21日

カマキリのタマゴ

 左が「オオカマキリ」、右が「ハラビロカマキリ」
 いずれもタマゴです。
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 「カマキリは変態しないの。だから、親カマキリそのままのすがた、
とってもちっちゃいのが、ここから次々に出てくる。
 かわいいのよー」
 木曜(19日)に見えたお客様。
 玄関先に見送ると、バイクの座席の下から出してきたビニール袋。
 中に入っていたのを、取り出して見せて下さいました。
 行きつけの美容院でもらってきたところ、とか。
 60年配のご婦人です。
 元気だなー。
 
 
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2020年11月08日

中国の新経済政策「双循環」

今月の「世界はいま」からの報告です。(念のため、「世界はいま」では、毎月、第一木曜、前月の国際ニュースを素材に国際情勢についてお話ししています。今月は5日でした)
●紹介したいのは、「双循環」という、中国の新しい経済開発プランのことです。先月26日から29日にかけて開かれた、5中総会という中国共産党の重要会議で提起されました。
新型コロナによる経済停滞で、外国資金や海外市場に依存する経済はコリゴリ。これからは「双循環」でいこう――という論法です。
この政策を詰めてゆくうちに、中国についての(わたしなりに)分かりやすい理解に到達したような感じがあります。それについて紹介してみます。
●これまでの中國経済
 これからの政策として「双循環」が提起された。すると、これまでの経済体制は「単循環」だったということになります。
どんな仕組みだったのでしょう?
二つの全く異なる「中国」を考えると、分かりやすいように思います。
A・・・アウトバウンド(海外旅行)、爆買いの中国
B・・・「世界の工場」の中国(月収が日本円にして1万6千円ほど、そういう層が約6億人を数えるとのことです)
Aは、大金持ちの中国、Bは、「安価な労働力」の中国です。いずれも、わたしたちが経験的に知っている中国です。
AとBが両立する経済体制、それが「単循環」です。
双循環とは?.JPG
(外国依存ということを加味して)非常に単純化すれば、こういうことです。
外国からの資金を入れて、Aがインフラや設備投資を進め、Bを(安く)働かせ、その製品を海外市場に売り込む。無論、儲けはAの懐に入ります。間接的には、外国企業も、外国の消費者も、このシステム(つまり、約6億人の安い労賃)の恩恵をうけています。
Aは、管理者としての党関係者、行政関係、商人など・・・要するにインテリあるいは都市住民が想定されます。
そう、隋・唐以来の「花の都」のイメージです。「2つの中国」という体制は、隋・唐時代も、習近平時代も、ほとんど変わらないように思います。
それにしても、社会主義革命の結果、行き着いたのが古来の「帝政」に似た仕組みだったというのは、ある種、驚きです。
●さて、これからの経済政策として打ち出された「双循環」です。
「双」だから、二つの循環が想定されています。
ひとつは、これまで通りの外国資金、海外市場(需要)を利用する循環です。しかし、これは頼ってはならないというのが、新型コロナの教訓です。
そして、本当にこれから育てたいと考えているのが、もう一つの循環です。国内資金、国内市場(需要)に頼る循環です。
 具体的には、Bの所得を引き上げ、「国内市場」として育てる。そのことを通して、経済の循環を確保する、という経済体制です。
可能でしょうか?
非常に困難なことのように思えます。Bの所得を増やすには、Aの配分を減らさなければなりません。習近平体制を支える人たちです。
彼らが自らの減収になるような政策を許すでしょうか?
非常に疑問に思えます。
●もう一点、社会の「分断」と民主主義のこと。
A,B二つの社会の併存というのは、産業革命、市民革命に始まる近代以前の国々にあっては、ごく普通のことでしょう。
たとえば(たまたま大統領選挙の関係でアメリカのことを考えてしまいましたが)南北戦争以前のアメリカの奴隷制度も、いまの中国と似たようなものだったのではないでしょうか?
そのように考えると、「差別」というのは、単純に肌の色や民族の問題とはいえないのかもしれないと思えてきます。むしろ、Aの(働かせる)市民とBの(働かせられる)市民という、役割の違いが根底にある可能性はないでしょうか?
アメリカの大統領選挙の関わりで「分断」という言葉がよくつかわれました。近代市民革命以来の市民社会としての一体性が崩れてきている、ということはないでしょうか?
同じことは、大統領がイスラム教徒相手に「宗教を冒涜する自由」を説くフランスにも、あるいは、非正規だの派遣だのといった雇用の進む日本にも感じます。
国という集団を構成する市民社会の一体性が薄れつつある、ということはいえないでしょうか?
社会がそんな風になったとき、民主主義は維持されるでしょうか?


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オープンボイス合同コンサート

7日、ボイストレーニングのエメ先生があちこちで教えているクラスの合同発表会「オープンボイス合同コンサート・VOL7」が開かれました。
場所は、高田馬場「音部屋スクエア」。久しぶりに高田馬場まで出かけて、新宿だの新宿西口だの迷いまくりました。
チャイハナチームも出演しました。
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といっても、茂田晴美さん、辻奥信昭さんご夫妻、それにわたしという、たった4人の弱小チームです(正確には、辻奥さんの奥さまは応援出演です)、コロナ憎しと、心底思いました。
「コロナ憎し」には、もう一つ理由があります。
人数が少ないと、クチパクというわけにはいきません。そのうえ、マイクありです。
音痴バレバレの仕掛けばかり・・・。ははは・・。
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終わったところで、エメ先生に慰められました。
「本番には強い」・・・ハハハ
エメ先生の生徒たち、どなたも(口をしっかり開いて)「絶唱」という感じがありました。
老若、それぞれの力を感じさせ、楽しいコンサートでした。
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2020年10月14日

ムラサキシキブ

水曜日午前は「チャイハナ・ウォーキングです。
午前ン10時に光が丘バス停奥の集会所に集まり、光が丘公園散策に出かけます。
14日は「銀モクセイを見に行こう」ということになりました。
キンモクセイではなく、ギンモクセイです。
現場――肝心のギンモクセイは散った後で、花を目にすることはできませんでした。
東屋のある辻です.
望遠レンズを構えた方たちが、いらっしゃいました。
光が丘カメラ.JPG
そのレンズの先、森の中の水場に、白いほほをしたシジュウカラがいました。
その辻で見かけた紫色の実――「これが、ムラサキシキブですよ」
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まわりに、大輪の花をいろいろとみかけました。
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同行のかたに尋ねました。
「これ、野生種ですかね?」
こたえば、明解でした。
「それは違います。植栽でしょうね」
光が丘公園の造成の段階で、後世の(わたしたちの)鑑賞の仕方を計算に
入れていた、のですね。
そういうことの視野のひろがりに、あらたて感動しました。
そして、もうひとつ・・・大輪の花、美しい色を追及してきた
江戸時代以来の日本の園芸屋さんの仕事の大きさを思いました。

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野嶋剛さんのチャイハナトーク

チャイハナ・トーク「特別版」『激動の台湾・香港から中国の現代を考える』(講師・野嶋剛さん)が昨晩ありました。香港や台湾の現場をさんざん経験してきた野嶋さんの「皮膚感覚」が、ヒシヒシと伝わってくるお話しでした。
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耳の弱ってきたわたしには、100%の要約は無理です。したがって、聴き取った範囲で「興味を感じたことば」を羅列してみます(誤解、曲解があるのは当然として、吟味してください)。
チャイハナ・トーク「特別版」『激動の台湾・香港から中国の現代を考える』(講師・野嶋剛さん)が昨晩ありました。香港や台湾の現場をさんざん経験してきた野嶋さんの「皮膚感覚」が、ヒシヒシと伝わってくるお話しでした。
 耳の弱ってきたわたしには、100%の要約は無理です。したがって、聴き取った範囲で「興味を感じたことば」を羅列してみます(誤解、曲解があるのは当然として、吟味してください)。
●「習近平問題」・・・香港、台湾・・話がややこしくなってきました。これは、2012年、習近平が総書記になってからのことです。彼の「「体質」が問題なのかもしれません。
●ミステリー・・・(このごろの中国は、経済成長も果たし、うまくいっているようなのに)次々と問題噴出――どうしてでしょう? 世界中のチャイナ・ウォッチャーがいだいている疑問です。
●個人的な観察・・・習近平は、ある種パラノイアなのかもしれません。いつも何かに追いかけられている。怯えている。かつてチャイナ・ウオッチャーの重要な仕事は、(権力中枢である)中南海の力関係を観察することでした。いまは、何の仕事もありません。習近平の政敵が全部、倒されてしまったからです。(中国の権力周辺では)中南海で生き残る――それだけで大変なことです。
●<中央vs周辺>・・・(習近平以後?)中央と周辺の関係が変わってきた。かつては、中央が周辺を優しく抱擁していた。いまは(中央の)「中華民族」が強調される。
●中国から見ます。
香港は、「回収」問題です。英国に奪われた植民地を取り返すという課題。
 台湾は、「統一」問題です。
台湾は(敗戦日本が戦勝国「中華民国」に渡したことで)すでに取り戻した国土の一部です。それが「国民党逃亡時代のままになっている」のをただす=国共内戦を終結させる=祖国統一戦争を終わらせる、ということ。
人民解放軍が「開放」を名乗る「理由」です。(つい、思ってしまいました。台湾解放なら「党軍」ではなく、「国軍」の仕事だろう。それとも台湾解放は「党争」の続きなのだろうか?―吉村)
●「力もあり、カネもある」中国とどう付き合うか・・・日本を含めた、世界中の問題です」
●質疑で「このごろ、反中報道ばかり」というメディア批判がありました。
 野嶋さん「受け手のいるところを追いかける。それがメディアです」
世論とメディアの追いかけっこ―そして、同じ話が続く、ということパターン。
世間の需要を満たしているようで、その実、世間に愛想をつかれてしまう――それが、このごろのメディアの実態のように感じました。

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2020年10月05日

「人口8億の発展途上国と、人口6億の先進国が『一つになった』国」

「中国とは、何か?」
「人口8億の発展途上国と、人口6億の先進国が『一つになった』国」である。
――無論、仮説ですし、ひとつの見方に過ぎません。しかし、あの国を見るうえで有力な観点ではないか、と思います。
一昨日(3日)、「一笑会」という東京・練馬区のお年寄りたちの小さな集まりを対象に、中国」をひとつの主題としてお話させていただきました。
中国を「発展途上国と先進国の組み合わせ」とする見方は、このお話をする中で育ってきたものです。
「発展途上国」というのは、農村(正確には農民戸籍)のことです。
「九苦」という言葉が、中国にはあるといいます。
一苦・・党の支配や政府組織による搾取と収奪
二苦・・教育を受けるのが難しい
三苦・・移動や移住が難しい
四苦・・社会保障がない
五苦・・時代や世界に関する観念が欠落、変化についてゆけない
六苦・・資源の欠乏(?)
七苦・・地域間、同業間での意思疎通が難しい
八苦・・創業や貯金が難しい。地域によっては、電気や水道すらない
九苦・・つねに凌辱(侮り辱める。性的な意味も含む)されている悲哀
これが、あの、GNP世界第二位を誇る中国の話だというのです。
いったい誰のことをいっているのでしょう?
答は、農村戸籍の人々です。それが、「発展途上国」の住民です。
「農民工」という名称で都会に出て働いていた人々もいました。
コロナ騒ぎで仕事を失っても「失業者」には、数えられませんでした。
「農民」に戻った、と見なされたのです。
では、「先進国」は、どこにあるか? 誰が住んでいるか?
いうまでもありません。
「都市」にあります。住民は「都市戸籍」に属す人々です。
外国旅行や爆買いを楽しみ、ITを駆使し、都市生活を満喫しています。わたしたちの眼に入る中国人が、この人たちです。
そのうち約9000万人は(共産)党員です。特権と役得のうま味を享受しています。
彼らの家族や親せき、知人を「役得のおこぼれ利益層」とすると、4、5億人には達するでしょう。
そんな中国社会の構造を、図にしてみました。
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8月の段階で考えていたのは、左図の「権力図」まで。9月になって、ようやく右側の(戸籍カースト制)に思い至ったという、わたしの考えの過程も示しています。
さて、ここで注目して欲しいのは、右図・最下段(農民戸籍・層)の中の「着色した逆三角形」です。「分配される富」を表している、と考えて下さい。
人口に応じて「平等に」分配されるなら、最下段すべて着色できるはずです。しかし、そこに割り当てられる富が少ない(この図では人口比の三分の一、実際はもっとわずかでしょう)から、一人ひとりに行き当たる富も少なくなります。
では、その「減らされた」富は、どこに行くか?
これも、いうまでもありません。
党という管理機構や都市戸籍人口の手に渡ります。
さらにいえば、農産物や工業製品といった現実の社会的富(財)を生んでいるのは、農民や工場で働く労働者の勤労です。その勤労の成果のほとんどが、管理機構(党)や都市戸籍人口に巻き上げられています。
 「都市戸籍・国家(先進国)」だけで人口6億。「農村戸籍・国家(発展途上国)」は人口8億――いずれをとっても、とんでもない『超大国』です。
その一方が、他方を徹底的に絞り上げる。搾取する。繁栄を謳歌する。そして、もう一方は、「九苦」の暮らしに閉じ込められ、絶望感に打ちひしがれている。そんな二つの「超大国」の組み合わせ―-それが、現実の中国という国の姿ではないでしょうか?
そして、習近平・共産党が現実に追及しているのは、この「途上国」と「先進国」に分かれた仕組みを(改めるのではなく)維持し、温存することなのではないでしょうか?
なぜなら、この仕組みこそが、彼らの「権力と役得、そして安定」の源泉だからです。
そのように考えると、中国共産党の昨今の強権も、「途上国」の拡大を図る膨張主義も、あるいは、「人民解放軍」を党が絶対に手放そうとしないことも、理解できるように思います。
 一点つけ加えておきます。
 見落としたくないことですが、上記の見方は、わたしたち日本人にも関係します。
たとえば、安い中国製品が手に入るということは、実際には、わたしたちが中国の「発展途上国」住民から搾取している、というのと同じことです。
 「発展途上国」と「先進国」に分断された、あの国の仕組みは、わたしたちにもまた都合よいようにできている、といえるのかもしれません。
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2020年10月02日

ススキと月見団子

昨日(1日、木)午前、「世界はいま」で、中国のことを話していた真っ最中、
玄関に人影ーー、
桑原さんです。
ススキと月見団子を届けていただきました。
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毎年のことです、
そして、中秋の名月の、この日だけのお付き合いという感じです。
ありがとうございます。
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2020年09月23日

野嶋剛さんをお迎えします

チャイハナ・トーク「特別版」のお知らせ
 『激動の台湾・香港から中国の現代を考える』(講師・野嶋剛さん)
香港、台湾海峡はどうなるのか? 習近平・中国の行く末はどうなのか?
――現代世界のもっともホットな課題です。現地に詳しい、ジャーナリストの野嶋剛さんに取り組んでいただきます。
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 日時・・・10月13日(火)午後7時〜 
 (野嶋さんが大学で教えた帰りに寄っていただくということで、変な時間になりました)
 場所・・・チャイハナ光が丘
(練馬区田柄5−14−19 都営大江戸線・光が丘駅A1出口・徒歩5分)
 受講料・・・1000円
 電話・メール 070-6559-3933   fyoshimura23@yahoo.co.jp
◎野嶋剛さん・・・上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。朝日新聞シンガポール支局長、台北支局長などを経て、2016年よりフリー。19年から大東文化大学社会学部特任教授(メディア及びジャーナリズム論。台湾、香港、東京を行き来しながら活発にルポや評論を発表。また、著書の多くが、台湾、中国で刊行されており、中華圏で高い知名度がある。
訳著『チャイニーズ・ライフ――激動の中国を生きたある中国人画家の物語』(13年)は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、『台湾とは何か』(16年)は、樫山純三賞(一般書部門)を受賞。台湾で優れたジャーナリストに贈られる卓越新聞奨(ニュース評論部門)を2018年、外国人として初めて受賞した。
多数の著書、訳書がありますが、近著として以下の3冊を紹介します。
・『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』小学館 2018
・『なぜ台湾は新型コロナウィルスを防げたのか』扶桑社新書 2020
・『香港とは何か』ちくま新書 2020
◎念のため、チャイハナ光が丘について・・・・
 場所・・・チャイハナ光が丘
(練馬区田柄5−14−19 都営大江戸線・光が丘駅A1出口・徒歩5分)
HP;  http://chaihana.sakura.ne.jp/chaihana-hp/
 元朝日新聞記者(ニューデリー、シンガポール、ジャカルタ支局長など)、元龍谷大学国際文化学部教授・吉村文成が、2010年に開設した、地域の文化交流サロンです。
  ホームページ・・・http://chaihana.sakura.ne.jp/chaihana-hp/
 また、チャイハナ光が丘の活動などについては、ごく最近、練馬区関連のズーム会議「練馬つながるフェスタ・オンライン」でお話ししたところです。
  https://youtu.be/V5bbzhemeEs
 時間があれば、ご覧ください。
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